未来の約束
「・・・美和」


切なく、でも愛しそうに名を呼ぶ桐島に、あたしはどうすればいいの?

あたしの知らない、でも何処か懐かしく、愛おしい気持ちが胸を締め付けた。

フッと口元を緩め、悪戯そう小さな笑みを桐島は浮かべる。


「昔の俺とは違う。だから、もう遠慮はしない」


そう言うと、チュッと触れるだけのキスを落とした。

咄嗟のことに、何が起きたのか、理解するまでに時間が掛かった。

あたし、今・・・桐島と、その、キスした?!

理解したらしたで、体の体温が一気に上がってくる。


「真っ赤だけど?」

「う、うるさい!!」


頬を両手で隠し、顔を背ける。

たぶん、初めてではない。

学生の時にも、付き合っていた人がいたらしいし。

だが、ご無沙汰なキスに、どう反応すれば良いのかわからない。

ましてや、こんな事故のようなキス・・・

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