未来の約束
「･･･すいません」


見ず知らずの俺が、この人の過去に土足で入り込んでしまった気がして申し訳なくなった。


「君が謝ることはない。今も俺は美香に恋をして、心から愛してるから」


男は迷いもなく、真っ直ぐに言う。

そんな彼が、とても大きな人間に見えた。


「カッコいいですね」

「君、面白いね。美和には、バカな男だって思われてるのに」


男は、笑みを溢した。


「きっと、君もバカな男なんだろうね。そんな君は、美和が病気だと知っても、傍に居続ける」


今、この男は何と言った？

･･･誰が、病気だって？


「あの･･･」

「美和は、美香と同じ病気を患ってる」


男の言葉に、思考が止まる。

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