未来の約束
「あたしがそんな女じゃないこと、長い付き合いだから、樋口は理解してると思ってたけど?」

「まぁな。ほら、着いたぞ」


車を停めると、樋口はサッサッと車を降りる。

そんな樋口の後を追うように、あたしも車から降りた。

歩くこと、10分。

公園の中の緩やかな坂を登り終えると、見晴らしの良い風景が広がる。


「こんな場所、在ったんだ」


見下ろしてる街で生活しているのに、全く知らなかった。


「意外と知らねぇ奴、多いんだよ。だから花火大会とか、結構穴場だぞ」

「へぇ。特に興味ないけど」

「お前、もう少し空気読めよ」


そんなこと言われても、花火大会なんて何年行ってなければ、もう行きたいとさえ思わないし。

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