未来の約束
「今日からお世話になります、田丸です。よろしくお願いします」


笑顔で挨拶をしたのは、本社からやって来た新しい事務員。

あたしや花音より2つ年下だが、仕事のできる優秀な人材らしい。


「松岡、廣木。くれぐれも、頼むぞ」


前にも聞いた台詞を、本社の人間に言われる。


「仕事が出来れば、問題ありませーん」

「同じく」


花音の言葉に、あたしも同意する。


「頼むよ、本当に」


疲れたように、ため息を漏らした本社の人間をスルーし、仕事に取りかかる。

花音と同じように仕事ができるかと言われたら、答えは「NO」だ。

でも、今までの子たちよりは少なからず使える。

こりゃ、あたしか花音のどっちかの異動もありうるかもな。

< 157 / 189 >

この作品をシェア

pagetop