未来の約束
それから、どれくらい経ったのだろう。

次第に手の感覚が戻ってくる。

それと同時に、得体の知れない恐怖に襲われた。

でも、ずっとここにいるわけにはいかない。

ましてや、今は勤務中。

片付いていない仕事が、まだ残っている。

大きなため息を溢し、再び自分の席へと戻った。


「大丈夫?」


花音が心配そうに、声を掛けてくる。


「ごめん。朝から、ちょっとお腹の調子が悪くて」

「なら、良いけど。無理しないでよ。後、田丸の件はやっておいたから」

「ごめん、ありがとね」


そして、仕事へと戻った。

・・・大丈夫。

手の感覚だって、すぐに戻ったし。

それに、あの後はちゃんと仕事もこなせていた。

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