未来の約束
最後の定期検診まで、もう少し・・・

きっと、いつもと同じように樋口は「特に異常なし」と言ってくれる。

薬だって、この10年。

1日たりとも欠かさず、ちゃんと飲み続けてきた。

やっと明るい未来だって、見えてきたんだ。

大丈夫、大丈夫、大丈夫。

不安に押し潰されないように、あたしは必死で言い訳を並べた。

朝、目が覚める度、不安に襲われた。

夜、目を閉じる度、やっと1日が終わったと安堵した。

早く、早く、早く!!

毎日、今日という日が一刻も早く終わることを願いながら時を刻んだ。

今日が終わって、明日になれば、きっとまた笑える。

そう、信じたかった。

でも現実は、あたしのことを裏切るんだ。

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