未来の約束
儚げな時間は、夢物語の始まり
自宅まで歩いていると、見覚えのある光景が視界に入る。

それに少しだけ胸が弾んだのは、気のせいだ。

自宅のマンションの前に停めてある車に近付くと、助手席の窓が開く。


「本当に、定時に上がったんですね」

「あぁ。俺は、約束は守る人間だから」


ふ~ん。


「お前、明日の予定は?」


明日は、会社が休みだ。

だからと行って、特に予定はない。


「特には」

「あっそ。まぁ、乗れよ」


聞いて置いて、「あっそ」って・・・

桐島に気付かれないよう、ため息を零し、車へと乗り込む。


「飯食った?」

「いえ」

「なら、付き合え」


そう言い、桐島は車を走らせた。

< 43 / 189 >

この作品をシェア

pagetop