未来の約束
「大丈夫なんですか?仕事」

「あぁ。それに、お前のことが気になって、仕事にならねぇし」


何を言ってるんだ、この男は・・・

今日の桐島も、やはり意味不明な人間のようだ。


「で、お前は?どうだったんだよ」

「何がですか?」

「男と会って」


どうって、言われても・・・


「お待たせしました」


そこに、宇野が料理を運んできた。

そのせいで、会話が止まる。


「美味しそう」


テーブルに並べられた料理を見て、自然と言葉が零れる。


「冷める前に食おうぜ」


桐島の言葉に頷き、あたし達は料理に手を伸ばす。

・・・なんだろう、この味。

一口食べて、手が止まる。

味は、確かに美味しい。

でも、なんでだろう。

美味しいのに、切なくて、胸が締め付けられる。

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