未来の約束
再び鞄の中へと戻し、何事もなかった様に繕う。

隠す必要があるかは謎だが、知られて変に同情されるのは嫌だ。

でも仮に桐島の存在が日常の一部になったら、あたしは隠し続けるのだろうか?

そして、隠し通せるだろうか?

もしそこに気持ちなんて生まれたら、あたしはちゃんと対処できるだろうか?

考えれば考えるほど、気持ちは憂鬱になっていく。

そして、ため息が自然と零れた。

このまま、勝手に帰ってしまうか?

そんなことを思っていると、ちょうど良く桐島が戻ってくる。

上半身裸でハーフパンツ姿に、濡れた髪をタオルで渇かす姿が無駄に色気があって困る。

自分の家だとしても、一応あたしがいるのだから、ちゃんと服くらい着て欲しい。

おかげで、目のやり場に困る。

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