未来の約束
「あの、そろそろ帰ろうと思うんですが」

「なんで?」


なんでって・・・

まだ、泊まるほど親しいわけじゃない。

それに、泊まる準備なんてしてない。

一応女子なので、色々と準備があるわけで・・・


「・・・何も準備もしてないですし」

「ふーん」


それは、どういう反応なわけ?


「嫌だって言ったら、どうする?」


は?

呆気にとられていると、グイッと腕を引かれ、桐島との距離がなくなる。


「帰したくねぇんだけど」


そう言うと、桐島はあたしのことを抱き締めた。

なぜだろう。

桐島の温もり包まれ、どこか安心している自分がいた。

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