未来の約束
花音のことは信頼してるし、できればずっと付き合っていきたい。

でも花音が相手だとしても、あたしは病気のことを打ち明ける予定はない。

苦しむ姿を見せたくなければ、弱っていく姿なんて見られたくもない。

いつまでも対等な、今のままの関係でいたい。

だから、ごめんね。


「花音が同期で、同じ部署で、あたし良かったよ」

「何よ、急に」


花音は照れくさそうに、 口にする。


「あたしだって、美和と出会えて良かったよ」


サラッとそんなことを言われ、嬉しくて笑みが溢れた。

それから閉店までクダラナイ話で盛り上がり、「またね」と店の前で別れた。

幸せなんて求めないから、ただ今日と変わらない平穏な明日(未来)がくることを願った。

< 74 / 189 >

この作品をシェア

pagetop