未来の約束
ベンチに腰掛け、今泉は項垂れている。


「ちょっと、負のオーラが凄いんだけど」

「なんだ、お前かよ」

「忘れ物だよ、バカ男」


あたしは、今泉にタバコを差し出す。


「うぜぇ。嘘つき女」

「何言ってるか、さっぱりわかんない」

「みんなに言いふらしても良いんだぞ?」


できない癖に、よく言うよ。


「花音に話して来ようか?」

「おい!」


腰を浮かせたあたしの腕を、今泉は必死に止める。


「自分の発言くらい、ちゃんと責任持って発しなさいよ」

「ちゃんと肝に命じとく」


本当に、どこまでもバカな男だ。

でも、そんな今泉のことが嫌いなわけじゃない。

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