未来の約束
「で、お前体調どうなの?」

「特には」

「そっか。それは良かったな」


小さく微笑んだ今泉は、家族や樋口以外に唯一あたしの病気のことを知っている人間だ。

偶然にも今泉は同じ病院で、しかも同じ病室で一緒に入院していた。

今泉の場合、あたしと違って、ただの怪我での入院だったけど・・・


「今泉って、頭の回転が早くて、機転が利いて良い奴なのに、本当にバカな男だよね」

「誉めるか、貶すか、どっちかにしてくれ」

「好きな子が「男は仕事できなきゃ、ダメだ」とか言ったから、一生懸命仕事して頑張ってたのに、気付いたら他の男に取られてたなんて、バカでしょ」

「頼むから、これ以上俺の傷を抉らないでくれ」


あたしは、盛大なため息を溢した。

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