未来の約束
「大丈夫だよ。アンタより、不運な人生送ってる奴がここにいるから」


今泉がこちらを見るので、あたしは小さな笑みを浮かべて見せた。


「・・・廣木」

「そんな顔しないでよ。これでも、後半年切ったんだから。後半年何もなければ、あたしもやっと自由になれる」


10年間、毎日飲み続けた薬とも、毎月通った病院ともサヨナラできる。


「こんなあたしでも健気に頑張って、1日1日を消費して生きてるわけ。だからさぁ、自由に生きれるアンタがそんな風に辛そうな顔しないでよ」


こっちが、惨めになる。


「なぁ。肩貸せよ」


そう言うと、今泉は人の肩に顔を埋める。


「貸してくださいでしょ?」

「はいはい。・・・なぁ、廣木。絶対、負けんなよ」


今泉のくせに・・・

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