未来の約束
「廣木ってムカつくし、うぜぇけど、俺、お前のこと信頼してる」

「今のアンタが、あたしには1番ウザイ」

「でも、そんな廣木が俺は好きだよ」


今泉の口にした「好き」は、人としてって意味だ。

そこに男女の関係は、これっぽっちもない。

それを、互いにちゃんと理解している。

それでも「好き」と言われて、嫌な気はしない。


__グイッ__


え?

いきなり腕を引かれ、今泉の頭が離れる。


「悪いが今泉、コイツは俺のだ。だから許可もなく、勝手に借りないでくれる?」


・・・は?


「廣木、桐島さんとそう言う関係だったの?!」


今泉は、心底驚いた顔をする。


「いや、えっと・・・」

「健気に頑張って生きてた甲斐があったじゃん」


こいつ、本当にウザイ。

こんな奴に、同情した自分がバカらしい。

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