世界No.1の総長と一輪の花

「二度とこいつに近寄んな」



さっきよりも低い声でフードを被った男がそう言うと、




「は……はい……」



と太った男が震えながら走り去って行った。











フードを被った男は今度は私に近づく。



「大丈夫？」



さっきよりも明るい声……




自分のパーカージャケットを脱ぐ男。




黒髪がさらりと見えて、耳の赤いピアスが2個…きらりと光った。




私がみとれていると、パサッとパーカーをかけてくれた。




……温かい…




「立てる？」



私の目の前にしゃがみこんで、目を合わせる。




整った顔だち…




こんなに整った顔の人……いるんだ…




「おーい」



目の前で手を振られ、やっと声が出る。




「は！はい！」



勢いよく返事してしまった…