世界No.1の総長と一輪の花
すぐに離れる唇…
体温が急上昇して、顔が熱くなる。ドキドキして、心臓の音が聞こえてしまいそうだ…
「…糖分補給」
詩優がそう言って自分の唇をぺろっと舐める。
と、糖分!?今のが!?え!?
何も言えなくてただ口をぱくぱくすることしかできない。どうして詩優は普通でいられるんだろう…
「もう1回いい?」
詩優は私の顔を覗き込んで顔を近づけてくる。私の答えなんて待つ気は全くないらしい。
けど……
テーブルの上に置いてあった詩優の教科書で咄嗟にガードした。
キスが嫌とかじゃない。やられっぱなしが悔しい。私だけドキドキしてるのに……そんなの不平等だ。
教科書の盾は詩優によって簡単にとられてしまって……
また唇を奪われる。
今度は私を逃がさないように頭を押さえつけられて。
「んっ……」
キスが長い………なかなか離してもらえなくて詩優の胸をトントンと叩く。
やっと離れる唇
「……ずるい」
私はそれだけ言って自分の部屋に走った。