世界No.1の総長と一輪の花
わけがわからなくて首を傾げると、女の子はにこっと笑った。
…可愛い
女の子の私でも惚れてしまうんじゃないかと思うくらいに可愛い……惚れなかったけどね
「はじめまして!詩優がいつもお世話になってます」
ぺこり、と頭を下げる女の子。つられて私も頭を下げた。
………詩優……って言った?……今…
「私の名前は高城 雅(たかじょう みやび)。詩優の婚約者です♪」
……婚約者?………詩優の?……え?
笑顔で言う目の前の女の子の言葉についていけない私……
「ところで…あなたは誰の彼女?」
……この子…可愛いけど目が笑ってない…
近づいてはいけない気がして、1歩後ろに下がる。すると…1歩、2歩、と距離を詰めてくる女の子…
「あんまりうちの姫いじめないでくれる?」
明日葉が私を抱きしめる。
「ひめちゃんは詩優が惚れてる女の子だよ」
にこりと笑う倫也。
「そんなの嘘に決まってるよ……だって雅と結婚するって詩優言ってたもん……」
急に泣き出してしまう女の子………
…ど、どうすれば………
「その嘘の涙とか俺には効かないからさ~…帰って?」
女の子の肩を掴んで部屋から無理矢理追い出す倫也。
「二度と来んなー!!」
と、女の子の後ろ姿に向かってあっかんべーする明日葉。