世界No.1の総長と一輪の花





雅さんに会ってから、気にしないように、考えないように過ごしていたのに………




倉庫に行くたびに雅さんに会うようになった……



「詩優ーー!!!!会いたかったぁ!!!!!」



と、雅さんが詩優に抱きつくのを目の前で見せられる日々………



詩優がいくら抵抗してるからって雅さんがやめるわけでもない。



あんなに胸元あいた服、短いスカートで抱きつかれたら一般の男性はみんな喜ぶだろうし………



自分が貧相な体だから羨ましいなんて思ってないわけじゃない………



詩優を"触られたくない"なんていう感情が沸き起こって……どんどん私が私じゃなくなってくみたい。前まではこんな感情なかったのに……




「花莉、明日葉!アイス買いに行こうか」



パソコンをいじっていた京子が立ち上がる。



「アイス!?行く行く!!!」



と嬉しそうな明日葉。



「行く!」



私も立ち上がる。



ここにいたくない。早く外に出たい…




「竜二、ちょっと3人でコンビニ行ってくる」




京子が竜二さんに声をかけて、私たち3人は外に出た。




倉庫の外で、思いっきり息を吸う。



吸って、吐いて……その繰り返し。




「ごめんね、花莉。あれが先々代の孫じゃなきゃ叩き出してるのに」



京子が申しわけなさそうな顔で言う。



「ううん。私なら全然大丈夫だから」



京子が気にすることじゃないよ…







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