世界No.1の総長と一輪の花
「ただいま~」
と、倉庫の2階に行くとまだ雅さんがいた……
しかも詩優と二人きりで…ソファに座って。
気にしてないふうを装って、カップのアイスを食べようと思った時に
「あ、詩優。さっきね、花莉がコンビニでナンパされてたよ」
と京子が爆弾投下。
「は!?」
と驚いて立ち上がる詩優。
「あぁ。そういえば連絡先渡されてたよね?」
私の方をくるりと向く京子はなんだか楽しそうに見えた。
「…えと………」
何となく答えずらくて、アイスを持ったままここから逃走。
階段を下りて、下っ端たちがいる方に……
近くにいたオレンジ髪くん、リーゼントくん、緑髪くんに
「匿って!!」
と言ったら驚いた顔してたけど匿ってくれた。
……いい人たち…
少ししてからカンカンカン、と階段を下りる音がする。
「花莉どこに行ったかわかる?」
…詩優の声
何も答えず詩優から目を逸らす下っ端たち。そりゃそうだ……自分たちの総長に嘘つくことなんてできないし、私のことを売るわけにもいかないんだ…
…途端に申しわけなくなって
「……妃芽乃 花莉…ここにいます」
と立って……また走った。