世界No.1の総長と一輪の花
倉庫の外、誰もいないところに2人で座った。
「…連絡先は?」
私の前に手を出す詩優。
「……」
無言で溶けたアイスをカップごと手の上にのせてやった。
「冷たっ」
詩優はすぐに地面にアイスを置いた。
……地味な嫌がらせ。だけどアイスを溶かした罰だよ。
「…花莉。前にも言ったけどさ……俺、お前のこと誰にも渡す気なんてないから」
詩優が私の顔を覗き込んで目を合わせる。
上がる体温、熱くなる顔……ドキドキと胸が高鳴って………壊れてしまいそうだ。
この人はずるい。目を逸らさせてくれないし、離れさせてもくれない……私が逆らえないのも知ってるだろう……
ポケットの中に手を入れて、コンビニで会った男からもらった紙を出して、詩優に渡した。
「…俺のこと信じて待ってて。雅にはちゃんと話つけるから。全部終わったら俺の話聞いて?」
真剣な表情……どこまでもまっすぐな人だ……
「…うん」
私が頷くと頭を撫でてくれた。
その優しくて温かい手で…