世界No.1の総長と一輪の花
新学期と波乱の予感
あれから雅さんは倉庫に来なくなった。
そして新学期がスタートして、私、京子、明日葉は4組に。詩優、倫也、竜二さんは1組になった。
京子と明日葉と同じクラスになのは心強いし、すごく嬉しい。けど…詩優たちとクラスが離れたのは寂しい……なんて少し思ったり。
今までだって同じクラスではなかったけど、隣のクラスだったからそれなりに会うことはあった。その回数も減ると思うとなんだかなぁ…
「あっ!!君は!!」
新しい教室に入ると、クリーム色の髪の毛の男に手を掴まれた。
絵本の中の王子様みたいな人……
私はすぐにコンビニでのことを思い出した。たぶんぶつかった人…
女の子3人と仲良く話していたみたいでその子たちは私に視線を移す。
「良かったら君も僕と一緒に話さない?」
にこっと笑いかけてくる男。周りの女の子たちは気にしていなさそうだけど……さっきからすっごい見られてる…
「……あ、の……」
できれば手を早く離して欲しい。
「うちの子に触るとこわぁーい男が怒るから離して?」
京子がそっと目の前の男の方に手を置いた。
「妃芽乃さんフリーって聞いたんだけど」
…フリー?
手がそっと離された。すぐに明日葉に後ろに手を引かれて、目の前の男と距離ができた。
「花莉はそのうちフリーじゃなくなると思うわ」
京子が目の前の男にそう言うと「行きましょ」と教室の奥に足を進めた。