世界No.1の総長と一輪の花
「ところで姫さん、恋人である詩優さんが他の女にくっつかれてますけど…いいんすか?」
和樹さんが私の目をじっと見つめる。
「……こ、恋人じゃなくて………」
私がそ言うとみんなが一斉にフリーズする。
…私…何かおかしいこと言ったかな……?
「詩優の片想いよ」
みんなが答えたわけでも私が答えたわけでもない。京子の声だ。
「「「「「「「「「「京子さん!こんにちは!!」」」」」」」」」」
階段から下りてくる京子に向かってみんなが頭を下げた。
「京子さん!その話詳しく聞きたいっす!!」
貴詞さんが興味津々といった表情筋で、キラキラと目を輝かせる。京子も京子でおもしろそうにニヤリと笑った。
…絶対おもしろがってる……
「詩優はね、入学式で花莉に一目惚れしたのよ。そこから学校で花莉を見かけるたびに可愛い可愛いって騒いでたって倫也が言ってたわ」
……え…
一気に顔が熱くなる。体温も急上昇して、この場にいるのが恥ずかしいくらい…
目の前にあるお菓子を適当につまんで、口に運ぶ。それは甘いチョコレートで、甘すぎるくらい。
「ここどうぞっす!」
みんなが京子の場所をあけて、そこに京子が腰を下ろす。
「それで」
と京子がまた口を開いたところで、大きな声が倉庫に響き渡った。
「雅聞こえなぁーーーい!!!!!!」
雅さんの声。みんなの視線が京子から声のした方に移動。