世界No.1の総長と一輪の花
保健室に行くと誰もいなくて、すぐにカーテンを閉めてベッドを借りた。
顔が熱い。体温が上がって、ドキドキが止められない。
たぶん私は詩優に恋をしている。この先この気持ちをどうしたらいいのだろうか…
ガラッと保健室の扉が開く音がした。
「妃芽乃さん」
私を呼ぶ声。この声は八王子くん…
…もしかして…逃げるようにここに来たから怒ってるとか!?
ど、どうしよう……
「開けるよ」
すぐに布団の中に潜り込むと私の有無を聞かずにシャッとカーテンを開けられた。
「夜瀬はやめた方がいい。あいつ昨日ホテル街で女の子といるの見たんだ」
ドクンと胸が鳴る。それは嘘だと思いたい。でも……詩優は昨日帰ってきてなかったし…現に今どこにいるのかもわからない…
また胸がズキズキと痛む。
「だから僕にしなよ」
布団が捲られて、八王子くんと視線が合う。
ギシッとベッドが軋む音がしたと思ったら八王子くんはベッドに片膝をついて、私の手首を押さえつける。
…え?
私が声を出そうとした時にはもう唇には熱い感触があった。
すぐに唇が離れて…
八王子くんにキスされたんだとわかった。