世界No.1の総長と一輪の花



コンビニで熱冷まシート、体温計、風邪薬、飲みもの、ゼリー、消毒液、包帯、ガーゼを買ってから部屋に戻る。


20分もしないうちに戻ったと思う。


「………雅さんのとこ行ってたの…?」


俺にぎゅーっと抱きつく花莉。赤い顔で、熱い体で……


思わず手に持っていたコンビニの袋をガサッと床に落としてしまった。



こんな状況だけど花莉から抱きついてくることがすごく嬉しい。熱なのに……


「…コンビニ行ってた」


「…嘘」


「………………嘘じゃねぇ。そこに落ちてるのコンビニの袋だろ」


花莉は下に落ちている袋を見つめると、俺から離れた。俯いてどこか寂しそうな表情。


俺はコンビニの袋を拾うと、花莉を抱きかかえてベッドまで連れて行って座らせた。



なんとそこまで無抵抗。まじで大丈夫かなと心配になるレベル……


熱を測らせると、39度だった。だからこんなに無抵抗だし、涙腺が緩いのか…


「…落ち着いたらこれで腹の傷消毒して」


さっき買った消毒液と包帯、ガーゼを花莉のベッドに置く。一瞬しか見てねぇけど……すげぇ痛そうな傷だった。


「……消毒して…」


そう言ってベッドに仰向けになる花莉。今にも泣き出してしまうんじゃねぇかと思うくらい目に涙が溜まっている。


「……襲うぞ」


だいたい花莉は無防備すぎる。


「……いいよ」


ゆっくり頷く。さっきまで他の男に襲われてたのによく言うな…


「………誰にでも襲わせるの?」


「……詩優じゃないとやだ…」


この子は自分で何言ってんのかわかってんのか………


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