世界No.1の総長と一輪の花
ゼリーを全部食べさせたあとは薬を渡した。
「……薬は自分で飲んで」
俺がそう言ったら素直に薬を飲んでくれた。花莉のおでこに熱冷まシートを貼って、
「おやすみ」
と言って部屋を出ようとしたら…ぐいっと裾を掴まれた。
「…行かないで……」
後ろから聞こえてきた声はとても震えていた。
「………ここにいる」
俺はベッドの脇に腰を下ろした。
悲しそうな声で言った花莉の頭を撫でてあげると、少しだけ表情が和らいだ。
それから花莉が眠りにつくのはあっという間だった。