世界No.1の総長と一輪の花
次の日、花莉の熱を測った。37度5分。昨日よりは下がったけど…
「37度5分か……まだ熱あるな。ちょっとコンビニ行ってくる」
「……雅さんのとこ?」
心配そうな表情で俺を見つめる花莉。
「コンビニだって」
安心させようと頭を撫でるけどまだ不満そうな顔してる。"外に出る=雅に会う"みたいな考えになってねぇか?
「…10秒で帰ってきて」
俺の袖をぐいっと引っ張る花莉。10秒で帰ってこれたら俺人間じゃなくなってると思うんだけど…
「20分で帰ってくる」
ぽんぽんと頭を撫でてからおでこにキス。
「…雅さんに詩優とられちゃう……」
…コンビニ行くだけなのに……花莉が俺を必要としてくれてることがすげぇ嬉しい…とか思っちまう。
「…熱ない時に言ってくれるともっと嬉しいんだけど」
「…ないもん」
……さっき熱測ったばっかりだろ。
「急いで行ってくるから。寝て待ってて」
花莉を無理矢理布団の中に入れると、俺は外に出た。
コンビニで、弁当とかゼリーとか菓子パンとかを買ってから急いで部屋に帰った。
玄関で花莉がお出迎え。無理矢理布団に入れたから頬を膨らませてる。まるで小さい子が怒ったみたいな感じで可愛い…
「熱冷まシート貼り替えような」
ぺりっと花莉のおでこから干からびたシートをとって、冷蔵庫に向かう。
花莉はぎゅーっと俺の背中にくっついて、一緒に歩く。すげぇ歩きずらいんだけど…
嫌じゃない。
冷蔵庫から替えの熱冷まシートを取り出して、花莉の部屋に向かう。