世界No.1の総長と一輪の花




温かいお湯が私の肌を濡らす。ほんの少しだけお腹の傷に染みる。ほとんどかさぶたになったけど…まだ少し痛い。


そして、胸元にはあの男からつけられた赤い痕。


……洗って落ちる痕ではないけど、そこを念入りに洗った。



詩優が来てくれて良かった…



今更だけどそんな安心感がこみあげてくる。もし誰も助けに来なくて、あのままされていたら……と考えると怖くなる。



……ちゃんとお礼言わないと…



お風呂から上がって、ドライヤーで髪を乾かす。



っていうか…今日って……



平日じゃん。



詩優…普通にいるからてっきり休日だと思ってたけど………



スマホで確認してもやっぱり今日は平日の水曜日。



……私の看病をするために休んでくれたんだよね…



申し訳なさでいっぱいになる。



お礼言う前に謝るほうが先……だよね……?




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