世界No.1の総長と一輪の花
「………詩優」
リビングのソファに座る詩優にそっと声をかけると、すぐに振り向いて「ん?」と首をかしげた。
「………学校休ませてごめんなさい…」
ぺこりと頭を下げる私に詩優はぽんぽんと頭を撫でてくれる。
「俺がお前のそばにいたかっただけだから気にすんな」
私の頭にのせた手をゆっくり滑らせて頬に触れた。温かい手……
そして……親指で私の唇に触れた。
……え…
「今は……キス、したい?」
詩優の声が私の耳に届いた瞬間、一気に体が熱くなる。
胸がドキドキドキドキうるさいし…壊れてしまいそうだ……
……今言うのずるい……触れないでくれてると思ったのに……
詩優の顔が見れない。恥ずかしくて…顔を上げることができないんだ。今絶対顔赤いし…
1歩後ろにさがると…詩優は私の頬に触れている手とは反対の手で私の腕を掴んでぐいっと引っ張った。
強い力で引っ張られて引き寄せられる体。
1歩、2歩、3歩、と前に足が進んで、気づいたら詩優と至近距離。そのうえ、私が崩れた体勢で……ソファの背もたれに手をつけている。
壁ドンならぬソファドンってかんじ。
………これじゃあまるで私が詩優を襲おうとしているみたい…