世界No.1の総長と一輪の花
至近距離で一瞬だけ目が合う。私がすぐに逸らしたけど…
胸がドキドキ…というかバクバクしてるといった方が正しいかもしれない。
「キスしたい?」
もう一度、今度はすぐ近くで聞こえた言葉。
いつもは私に確かめることなくキスするくせに……確認してきても返事なんて待たないくせに……
……ずるい…
詩優は絶対私に言わせようとしてるんだ…
最後にされたのは八王子くんのキス……その感触だって忘れたいし、できることならなかったことにしたい。
私を詩優で満たして欲しい。
って何恥ずかしいこと考えてるんだろう……
「答えて、花莉」
耳元でそっと呟かれるように言われた言葉。色っぽい声で言われるから余計顔が熱くなる。
詩優は私の熱を上げようとしてるの?さっき私に大人しくしてろよとか言ったくせに……
離れようとしても離れられない体。きっと私は逃げられない。逃がしてもらえない。
だったら言ってしまおう……雅さんがいない今…
「……キス…して。八王子くんのキスなんて忘れさせて」
私がそう言うと、詩優は私の頭の後ろに手を回してから
そっと唇を重ねた。