世界No.1の総長と一輪の花
そっと片足をソファにのせる。そしてもう片方の足もソファにのせて、向き合ったまま詩優の膝の上に座った。
「花莉?」
不思議そうに私を見つめる詩優。
私は詩優のこの余裕を奪いたい。私だけドキドキするのは不公平だから。
ドキドキさせたい……
私は詩優の肩に手を回して、ゆっくり顔を近づける。そして触れ合う唇。
体が熱くなる。ただ触れてるだけなのに……
自分が大胆なことをしてしまったことに気づいて、余計熱くなる。
5秒も経たないうちにすぐに唇を離した。けどすぐにまた塞がれた。
もちろん詩優の唇で。
「……んんっ…」
さっきよりも強引にされるキス。
…嫌じゃない。
また、角度を変えて何回も。長く続くキスにまた呼吸するタイミングが見つからない。
詩優の肩をトントンと叩く。
それでもキスをやめてくれない。
さっきよりも力を込めてドンドン肩を叩く。こっちはもう苦しいのに…
酸欠になりそうだ…
それでも詩優はお構いなしにキスをする。
「んーー!!!」
必死に酸素を要求する私を見て、詩優はやっと私を離す。
「口開けて、花莉」
息を乱す私にそう言う詩優。何で口開けなくちゃいけないの…?
詩優の考えてることはわからない。とにかく今の私がすべきことは詩優の言うことを聞くことじゃなくて酸素をいっぱい吸うことだと思うんだけど。