世界No.1の総長と一輪の花
詩優がまた私の頭の後ろに手を回す。
…嫌な予感しかしない。
もう少し……せめてあと少し……酸素を吸わせて…
私のそんな願いも虚しく、詩優はまた私と唇を重ねた。
そして……
薄く開いた唇の間から熱いものが口の中に……
「!?」
こ、これは……詩優の…舌……だよね?何で私の口に……?
キスって唇を重ねるだけだよね!?私…キスしてとは言ったけど舌入れてなんて言ってないよね!?
そもそもこれはキス!?
私が戸惑っている間に詩優は私の舌と舌を絡め合う。口をここで閉じてしまったら詩優の舌を噛むことになるし……
結局はされるがまま…
熱い舌が絡んで…もっと欲しくなる。気づけば自分からも詩優の口の中に舌を入れて、絡めにいってた。
ぼーっとする頭。もう詩優しか見えない。詩優のことしか考えられない。
はぁっはぁってお互いの熱い息が漏れる。
また唇が離れる頃には唾液の糸が切れた。
乱れる息。熱い頬。
「俺のことしか考えられなくなっただろ?」
詩優は口角を上げて笑う。
…確かにそうだ。他のことを考える余裕すらなかった。
今思い出すのはさっきのキス。詩優の感触…
八王子くんとのキスかどんなだったかなんてもう思い出せないくらい。
詩優はすごい……
あっという間に私を詩優で満たしてくれた。
私は素直にこくんと頷いた。