世界No.1の総長と一輪の花




「全員席座れー」



その後、担任の先生が教室に入ってきたから騒がしかった教室はすぐに静かになった。



けど……みんなの視線が私、京子、明日葉に向けられている。



……居心地が悪い…




「妃芽乃さんって姫だったんだ」



前の席から振り向いて、小声で話す八王子くん。八王子くんと話すのはあの、保健室での出来事以来だ。



「僕はそれでも妃芽乃さんのこと諦めないから」



にこりと笑う八王子くんだけど……さらっと怖いことを言われた気がする。



諦めないって…私の命を狙うことを諦めないってことだよね…?



私が雷龍の姫であっても関係ないってこと…








「妃芽乃さんって処女?」








一瞬、耳を疑った。そんなこと聞く人がなんているとは思わなかったから…



仮にもホームルーム中なのに。



「へ~?処女なんだ」



ただ口をぱくぱくしているだけの私を見てまたにこりと笑う八王子くん。



「夜瀬って手が早そうなのにね。じゃあ僕が妃芽乃さんの処女もらおうかな~」



私の頬に向かってそっと伸びてくる手。触れられる直前で私は机の中から教科書を取り出して盾をつくった。



「………あげないもん」




やっぱり八王子くんは危険な人。近づいてはいけない。



「じゃあもう1回キス、しようか」



「絶対しない…!!」




この人……もしかしたら




エロ王子かもしれない…







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