世界No.1の総長と一輪の花




「イチャついてはねぇけど。可愛いじゃん」



詩優はまた私の頬をつんつんする。



何だか恥ずかしくなってくる。食べながらつんつんされて、そのうえ好きな人から可愛いとまで言われて…



頬が熱を帯びて熱くなる。



どんどん熱くなっていく顔をメロンパンで隠した。



「俺も彼女欲しいなーーー」



倫也の言葉にまた疑問を持った。彼女欲しいって言うことは…今彼女いないってことだよね?倫也が1番女の子と話してるところよく見るのに…



なんか意外だな…



「お前らもどんどん食べないとほんとに明日葉に全部食べられるぞ」



竜二さんがサンドイッチを頬張りながら言う。明日葉はすごいスピードでパンやおにぎりを食べていく。



その食べる姿はとても幸せそう。



…可愛い……



「あ、まじだ」



「さすが大食い」



詩優と倫也が黙々と食べ始めたから、私も安心してメロンパンを頬張った。


















「花莉、それしか食べないの?」



メロンパンを食べ終えて、ミルクティーを飲む私に京子が聞いてくる。



「うん。食欲があんまりなくて…」



……最近だってあまり食べていなかったから胃が縮んだような気がする…



それにもともとたくさん食べる方でもないし……



「ただでさえ細いんだから。食べないと骨だけになっちゃうよ?」



京子の表現が面白くてついつい笑ってしまった。骨だけになることなんてないのに。



「ならないもん」



「なりそうよ」




私にそう言う京子もあまり食べるタイプではないだろう。前に時間を忘れてパソコンをいじっていたと聞いたことがある。



「今度焼肉でもしようか」



京子がそう言うと「ほんと!?」とキラキラした笑顔を向ける明日葉。





明日葉はたくさん食べるのに細いから羨ましい。




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