世界No.1の総長と一輪の花
「妃芽乃さんってバカだね」
「バカって言った方がバカなんだよ」
そんな子供みたいなことしか言えなかった。八王子くんが笑うからなんかむかつくんだから仕方ない。
「僕が狙うって言ったのは命じゃない。妃芽乃さん自身。あと体も欲しくなったなぁ」
私自身を狙う?……体も欲しいって…やっぱり八王子くんは……
「………エロ王子…」
ぼそっと呟いた言葉にまた八王子くんに笑われた。
「まだ伝わらないとかすごいなー妃芽乃さん。要するに僕は妃芽乃さんが好きってことなんだけど」
「ほえ?」
衝撃的すぎる言葉に変な声が出てしまった。気のせいか、八王子くんが今"好き"って言ったような……
「好きだから夜瀬より僕を選んで。僕は夜瀬より優しくできる自身あるよ」
「………ごめんなさい……無理です。詩優より優しい人なんていないし、何より私が詩優のこと好き…だから…」
自分で言っておきながら恥ずかしくなる……頬が熱くなって、思わず下を向いた。
「妃芽乃さん隙だらけだから奪えそうな時に奪うね」
八王子くんはそう言うとくるっと前を向いた。
……奪えそうな時に奪うって………私はまだ狙われてるってこと……?