世界No.1の総長と一輪の花




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「ひめちゃーん!康が急用で迎えに来れないから俺と明日葉で送ってくよ」



教室まで迎えに来てくれた倫也。女の子たちが一気に群がっていく。



「倫也様ー!!!」


「倫也くん今日は私と遊んでくれる?」


「今日はあたしにして!!」



いろんな声が聞こえてくる中、「あいつはほっといて行こ」と明日葉が私の腕を引っ張った。



「あっ!待って!!俺も帰る!!」



倫也の声が後ろから聞こえてきて、「えー!行っちゃうの!?」という女の子たちの悲しそうな声も聞こえてくる。







「俺のこと置いていかないでよ」




下駄箱で倫也と合流した私と明日葉。後ろからたくさんのギャラリーがついてくる。



…まるで芸能人みたい。芸能人が追われてるみたいなそんな感じ。倫也も明日葉もモテるから大変そうだ。



「お腹すいた~」



歩きながらぐぅ~と、明日葉のお腹の音が聞こえたてきた。



「明日葉は食いすぎでしょ」



ぷくくっと笑う倫也を明日葉がバシッと背中を叩く。



「少しは手加減しろし」



ギロりと睨む倫也を気にせず、スキップする明日葉。この2人はやっぱり仲がいいと思う。喧嘩するほど仲がいいっていうやつ。




コンビニの前を通ると、明日葉はすぐに目を輝かせて、「寄ってってもいい?」と聞いてきた。




その姿はやっぱり可愛くて、私は「うん!」と頷いた。倫也も呆れながらもコンビニに入る。






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