世界No.1の総長と一輪の花
それから明日葉と私は倉庫に着いて、その10分後に倫也も到着した。
それから、倉庫では緊急集会というものが行われた。
「お前らも何人か知ってると思うけど…噂通り、槙村 海斗(まきむら かいと)が鳳凰の総長だった」
詩優のその一言が重く、倉庫内に響いてみんな一気に真剣な表情になる。"海斗"という人物はそれほどまでに雷龍の人たちと関わりがあったのだろうか…
「鳳凰の狙いは"世界No.1"の座だ。いくら昔の仲間とはいえ絶対気を抜くな。もう敵同士だ」
…昔の仲間………
「1人での行動は極力避けろ。何かあったらすぐに俺か竜二、それか倫也、明日葉に知らせろ」
この場にいる全員が詩優を真っ直ぐ見つめて、
「「「「「「「「「「「「「「「はい!!!!」」」」」」」」」」」」」」」
と揃った声が倉庫に響いた。
「以上」という詩優の一言で集会が終わり、みんなの話題は"海斗さん"という人物。
「詩優さんが唯一雷龍から追放した元幹部っすよ」
貴詞さんがそっと教えてくれた。
…追放!?……しかも元幹部!?
それだけの実力者だったのなら一体何をしてしまったのだろう……よっぽどのことがない限り追放なんてされない。詩優だって厳しいわけじゃないし…
「……総長……あの人と仲良かった……」
眠そうに目をこするオレンジ髪の赤名くん。