世界No.1の総長と一輪の花
「詩優!今日は花莉、私の家に泊まってもらうから」
ここ最近、1週間に1、2回のペースで京子が花莉を自分の家に泊まらせてる気がする。
……っていうか気のせいじゃねぇ。
でも花莉を1人で部屋にいさせるよりは……いいんだけど…
花莉が俺のとこからいなくならねぇか心配なんだ。
「…あぁ」
平静を装って答えたつもりだけど、京子は俺の顔を見てにやにやと笑う。もともと京子は鋭い。だから俺が花莉に惚れたのだってすぐバレたんだ。
「総長の許可ももらったしー、今日は恋バナして一緒に寝ようね。花莉」
俺を見てにやにやする京子とそれに嬉しそうに頷く花莉。
……俺への挑戦だろうか…
女同士でも妬いちまう。俺はこんなに器が小さい野郎だったのか……
気持ち切り替えねぇと。
「…んじゃ、俺は行ってくるから」
夜の街を歩きつつ気に入ったやつを雷龍に勧誘、それを毎晩繰返す。竜二もやってくれてるけどまだ新人は0人。
通り過ぎる間際に、花莉の頭をぽんぽんと撫でてから耳もとにそっと顔を近づける。
「よそ見すんなよ」
と小さな声で囁いてから俺は倉庫を出た。