世界No.1の総長と一輪の花




「…詩優。さっそくで悪いが…こいつが雷龍に入りたいらしい。しかも熱烈なお前のファンだ」



黒髪くんがビクビク震えながら俺に頭を下げる。前髪が長くてよく顔が見えない。しかも、長い前髪の下には丸眼鏡をかけている。




…見えづらくねぇのか?




「おっ!まじで?」



「佐伯(さえき)は極度の人見知りらしい。俺が話しかけても怖がられるだけだったからな」



「竜二、お前の顔が怖かったんじゃねぇの?」



竜二は本当に仲良いやつの前じゃねぇと笑わねぇし、普段は俺より威圧あるんじゃねぇかと思うくらいだし。




「…ち、ち、ち、違います!!断じて!!!」




黒髪丸眼鏡くんはぶんぶんと首を振って慌てて否定。




「雷龍に入りてぇんだって?」




俺は黒髪丸眼鏡くんの隣の席に座った。その後に続いて竜二も椅子に座る。




「は、はい!!!ぼ、僕は!し、詩優先輩がずっと憧れで……あっ!そ、その前に自己紹介が遅れました…!
僕は…佐伯 誠(さえき まこと)といい、ます…!」




黒髪丸眼鏡くんは緊張しているのか、あたふたしていてなんだか見ていて面白い。





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