世界No.1の総長と一輪の花
「誠、お前は雷龍のために戦って死ぬ覚悟ある?」
長い誠の前髪を人差し指で横によけてから、目を合わせるとビクッと肩を震わせて俯かれてしまった。
「………ぼ、僕は………喧嘩……本当に弱くて……いつもいじめられてばかりでした………。で、でも!変わりたいんです…!
もう誰かに馬鹿にされるだけの僕は……やめたいんです…!だから……憧れの雷龍にも、ももももももし…入れるなら……
僕は雷龍のために死ねます…!!」
俯いた顔をしっかり上げて、俺と目を合わせる誠。
「合格。誠、来週あたりに歓迎会やるから予定空けといて。学校まで迎えに行くから」
俺の言葉にぽかーんとして、口を開いてただ目をぱちくりとさせる誠。
「……ほ、ほほほほほ本当に…ぼ、僕が入ってもいいんですか……?」
信じられないと言った表情でいる誠の頭をわしゃわしゃと撫でて「本当」と言った。
するとすぐに嬉しそうな表情に変わる。
「ありがとうございます!!!!!」
「竜二、顔は怖いと思うけどいいやつだから仲良くしてやってな?」
俺がそう言ったら竜二が「…なんだと……?」と少し声を低くして怒っていた。
「ご、ご指導よろしくお願いします!!」
本人は怖がられることが嫌だと以前言っていた。現雷龍のメンバーの哲哉でさえ最初は怖がっていたから…もう慣れて今では普通に話してるけどな。