世界No.1の総長と一輪の花
「…熱いの……手…離して…」
私に触れたままの手を離して欲しい。
詩優はゆっくりと私から手を離すと、布団を私の上に被せた。
「寝ろ。寝て起きたら楽になってるから」
「…熱い……布団やだっ…」
「目ェ瞑れ。羊でも数えて寝ろ」
「…羊数えて寝られたことなんてない…」
「…羊が1匹…羊が二匹…」
代わりに詩優が数えてくれる。本当に寝られるのだろうか…
何て思ったけど少しずつ眠気がやってきて、私は瞼を閉じた。