世界No.1の総長と一輪の花






あれから一緒にご飯を食べて、別々の部屋に戻った。




1人になるとやっぱり寂しい。せっかく両想いなのに……




もっと一緒にいたい…




そう思ってるのが私だけだったら嫌だけど…




お風呂に入ったあと、髪を乾かしてから詩優の部屋へ向かう。




扉をノックしたら「どーぞ」と返事があった。ゆっくりと扉を開けると、ベッドの上で詩優が私に向かって手を広げる。



「おいで」



私は何かの動物だろうか。と思いつつも詩優の胸に飛び込んだ。



勢いをつけすぎたようでベッドに倒れ込む。私が上に乗ったまま…



……っていうか詩優は怪我人なのに…!



「ご、ごめん!!」



慌てた起き上がろうとすると詩優は



「わざと倒れただけだから」



と笑った。



…わざと?



でもさすがに上に乗ったままは重いだろうし、申し訳ないからそのまま詩優の隣に移動した。



「雅がさ、花莉にお礼したいって言ってた。あと謝りたいって」

「…私に…?」




「自分が無事だったのは花莉が庇ってくれたからだって」

「…雅さんが無事で良かった」




「わざわざ俺の病室まで来て言いに来たんだ」

「……」






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