世界No.1の総長と一輪の花
答えようとしない私に、詩優は覆いかぶさってくる。目を逸らそうとすれば顎を持ち上げられて無理矢理視線を合わせられる。
「…答えて」
じっと真剣な瞳で見つめられる。
両想いになったばかりの日にくらいこんなこと考えたくもないし、言いたくもない……
のに言わないとどいてくれなさそうだ…
今の詩優は強引だ……たまになるけど…
詩優はずるい。そうやって私の答えを聞き出そうとするんだ…
思わず目に涙が溜まる。
ここで泣きたくない。せっかく両想いになれた日なのに…
我慢できずにぽたりと涙が溢れ出る。瞬きすればもう涙は止まらなくて…
……もういい。もう言ってしまおう
「……キスされて…体触られた…の……もう部屋帰るから…どいて…」
言い逃げしようと思った。けど詩優はそれを許してくれない。
私の手首を掴んで強引に唇を重ねる。
「んっ…!」
1回離れたと思ったら、すぐにまた唇を塞がれる。
そして詩優の熱い舌が口の中へ…
「…んんっ…」
強引だけど嫌じゃない……八王子くんにされたことを上書きしてくれるから…
私は詩優のキスを受け入れて舌を絡ませた。