世界No.1の総長と一輪の花
車に乗っている時も手を離してくれない。
私はなんだか恥ずかしくて下を向くことしかできなかった。
でも「花莉」と名前を呼ばれて顔を上げれば、詩優と目が合う。
っていうか…本人があまりにも普通にしてたから私もあまり気にしなかったけど…怪我は大丈夫なのだろうか……
3針縫う怪我だし…
頭にまだ巻かれたままの包帯をじっと見ていると、詩優は視線に気づいて
「あぁ。もう大丈夫だから」
と笑った。
無理してないといいんだけど……
「それよりさ」と話を変える詩優。
「八王子、転校したから」
「え…」
八王子くんが…?
「八王子が転校してもまだ鳳凰の下っ端は学校にいるから。気をつけて」
「…うん」