世界No.1の総長と一輪の花
車からおりても詩優は私の手を離そうとしない。そのおかげで私と詩優はいつもより注目を浴びている。
「……詩優…恥ずかしいから…手、離そう…?」
さすがにみんなに見られるのは顔から火がでそうなほど恥ずかしい。康さんに見られるだけでも恥ずかしかったのに…
「俺はまだ繋いでたいけど」
「…人前はやだ…っ…」
「…そういう顔するとキスしたくなる」
「!?」
…そういう顔ってどんな顔!?
「顔赤い。可愛い」
「…っ…」
私の頬に触れて楽しそうに笑う。余裕すぎる顔…
「授業サボらねぇ?」
「だめっ」
「ダメなの?」
「…っ…」
「1時間だけ俺にちょうだい」
「………」
甘えた声で…キラキラした目で私を見つめる詩優。今は甘えモードだろうか……
「なぁ、だめ?」
そんなに言われたら断れるわけないだろう……私だって詩優と離れたいわけじゃない。人前で触れてくるのは恥ずかしいから嫌だけど…
私はこくん、と頷いた。