世界No.1の総長と一輪の花
何分か経った頃、いきなりガラッと空き教室の扉が開かれた。
あまりにも急だったから思わず心臓がドキン!と跳ねた。
「あー!イチャついてる~」
そう言いながら空き教室に入ってきたのは倫也。その後に続いて入ってきたのは竜二さん、京子、明日葉。
今は授業中のはずなのに、まさかの幹部全員集合。
「……教室にいないと思ったら…ここにいたのか」
「邪魔してごめんね?詩優、花莉」
呆れ顔で言うギプスをした竜二さんと、にやにやしながら言う京子。
「…ほんとタイミング悪い」
詩優はそう言ってから私を抱きしめていた手を解くと、頭に手を乗せてゆっくり撫でてくれる。
みんなに見られて恥ずかしい…
「俺と花莉、付き合ってるから」
さらっとみんなに向けて言う詩優。
「やっとか~」
「ほんとよね~」
「…妃芽が幸せならそれでいい」
「え!?いつから!?」
明日葉が信じられないといった顔をして私たちに近寄る。
「昨日告って付き合った」
私の頭を撫でながら答える詩優。私は動物か何かだろうか……
撫でられるのは好きだけど……