世界No.1の総長と一輪の花




「俺は平気」



淡々と答える詩優に



「輸血した上に3針縫ったらしいじゃん。バケモンかよ」



と言う壮くん。



……輸血までしてたんだ…



私は3針縫ったとしか聞いていない。ちゃんと言ってくれればいいのに……



私をあまり心配させないようにしてくれていたのかもしれないけど…



少しムカついたから左隣に座る詩優の足を軽く踏んずけた。



そしたらふっと笑って、私の右手に詩優は自分の左手を重ねてきた。指を絡ませるようにして、あっという間に恋人繋ぎ。




「詩、優……」




ぱっと手を離そうとしても離してもらえず、隣をちらりと見た。詩優は私と目を合わせて、口角を上げる。




そして何事もないように普通に話し出す。




「もうすぐ着くぞ」




…なんて意地悪な人……






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