世界No.1の総長と一輪の花
「哲は奏太、貴詞は壮、秀一は誠乗せてやって」
詩優がそう言うと
「「「はい」」」
と3人は返事をして、それぞれ中学生3人を引っ張りながら外へ連れていく。
「花莉と京子は康の車な。りゅーじちゃんは、俺の後ろ」
にっ、と笑う詩優に「誰が"ちゃん"だ」と睨みつける竜二さん。
…竜二さんはまだ右腕にギプスをしている。だからバイク運転できないんだ…………
じゃなくて!本当に今からどこに行くのだろう……
「今から走りに行く」
じっと詩優を見つめていたら、私の視線に気づいてそう答えてくれた詩優。
……走りに行く?
……陸上部みたいに?
…みんな走るの好きなのかな……
謎は深まるばかり。