世界No.1の総長と一輪の花
「竜二ちゃんは俺が乗せるから詩優はひめちゃん乗せたら?京子は明日葉が乗せて。そうしたら康さんもバイク乗れるし」
倫也がそう言うと、
「…花莉は怖くない?」
詩優が私の顔を心配そうにのぞき込む。
……怖くないって…バイクに乗るのが…?
それだったらもう何回か乗ってるし…
「大丈夫」
と深く考えずに私は答えた。
「じゃあ決まり。俺らも行くぞ」
詩優に手を引かれて歩く私。
倉庫の外に出るとすぐに"走る"の意味を理解した。
だって……倉庫の外にはバイクに跨る雷龍のメンバーがいたから。
「これ被ってな」
ヘルメットを渡されて、詩優に抱えられてバイクの後ろに乗せてもらった。
「今までよりもめちゃくちゃスピード出すからしっかりつかまっとけよ?」
私に1度手渡したヘルメットを奪って、頭に被せてくれる。
「んじゃあ1番隊から!!!出発!!!」
詩優の合図で走り出していくバイク。