世界No.1の総長と一輪の花
手持ち花火をぶんぶん振り回しながら奏太くん、壮くん、誠くんを順番に追いかける明日葉と倫也。
それを見て注意する竜二さんに、ただ「逃げろー」と応援する詩優。京子は写真撮影をしている。
花火振り回すのはすごく危ないけど…なんだかみんな楽しそう。
確か…"あの日"…………お母さんの命日は地元の夏祭りだった。私は従兄弟とお祭りに行って花火を見たのを覚えている。
ちょうどお祭りから帰ったあとのことだ。
私はお父さんから『お母さんが死んだ』と伝えられたのは。
私のことを笑顔で送り出してくれたはずのお母さんが…突然亡くなったんだ。
あの頃の私は信じられなかった。
今でも信じられていないけど……
だって……お母さんのお葬式なんてやってないんだから。遺体だって見ていないし…
お父さんや俊に聞いても何も答えてくれなかった。
だから私はまだ夏になるとお母さんが戻ってきてくれるかもって思ってしまうんだ……